SSブログ

【シーテック・ジャパン2011】 非接触充電・ワイヤレス電力伝送が来年から流行るのか [シーテックジャパン]

topimg_ls.jpg
10月に幕張メッセで開催された「シーテック・ジャパン2011」で各社力を入れているものは来年のトレンドになることがある。
今年私が目にした中で一番多く見られたものは「非接触充電」「ワイヤレス電力伝送システム」などの
非接触型電力伝送システム、携帯電話やスマートフォン、電気自動車まで様々なものに応用ができるワイヤレス充電。

今年は例年以上に目立っていました。
ワイヤレス充電というと既に幾つか製品化されていますが、さらに高効率化や商業利用へ前進した年ではないか。


◇ワイヤレス給電とは
_DSC0633.jpg
現在、携帯電話やノートパソコンなどの家電製品はすべて充電器を端末に差し込むという作業があります。
電気自動車などでも給電スタンドでプラグを接続し充電池に電気を溜め込んでいます。
ワイヤレス給電になると給電エリアに対応するポータブル製品を置けば充電が出来る。

ワイヤレス給電は大きく分けると「電磁誘導方式」「電界結合方式」「電波受信方式」「磁界共鳴方式」の4つ方式がある。

・電磁誘導方式
ワイヤレス充電の中では主流でコードレス子機などで金属の端子同士の接続がしておらず、ただ置くだけで充電できる。
1つのコイルに電流を流すともう片方のコイルに電流が流れる。
問題点は、発熱しやすいこと当初は伝送効率よりも熱変換の方が多く非効率的だったが、2003年頃にセイコーエプソンが高効率化に成功し充電時間が短くなった。
しかし問題点もありIH調理器に使われるこの方式だと電流が流れているコイルに金属を近づけると発熱してしまう。
金属製ボディのモバイル機器では発熱の危険性がありやや問題となる。
またコイル同士を正しい位置に置かないと効率が悪くなる。

・電界結合方式
ムラタセイサク君でお馴染み村田製作所が今年製品化をした「電界結合型ワイヤレス電力送電システム」
送電側と受電側に電極を設け、接近すると発生する電界を利用する。
伝送部に金属があっても電流が微小なので発熱が少なくて済む。
また、1箇所の給電エリアに複数台のモバイル機器を同時に充電することができ、従来の1箇所1台よりも効率よく充電ができる。

・電波受信方式
送電側は電流を電磁波に変換、受電アンテナに送り受電側で直流電流化する。
FeliCa(お財布ケータイや鉄道の非接触ICカードなど)で利用されている。
今後は宇宙太陽光発電建設されたときに宇宙の太陽光発電衛星から地上にマイクロ波として送信する仕組みを取るようだ。

・磁界共鳴方式
送電側と受電側にコイルとコンデンサを埋め込んでそれぞれを磁界共鳴させ電力を受電する。
やってることは電磁誘導方式に似ているが、送電距離を長くすることができたり結構便利

◇電界結合型
_DSC0634-9.jpg
現在はQi(チー)と呼ばれるワイヤレス充電 世界標準規格があります。
こちらは従来の電磁誘導方式で充電効率を上げるために。
マグネット吸引方式:磁石でコイル同士を中心に合わせるが広い面積には向かない。
可動コイル方式:モバイル機器を乗っけた際に発生する微弱な電流の干渉を使い充電器内部のコイルを移動させる、位置合わせが正確で高効率。
コイルアレイ方式:コイルをハニカム構造の用に配置しどこでも充電させられるようにする。広い面積に向くが給電率は低い。
この様に従来の電界誘導方式では欠点が多く、わざわざコイルを移動させる為厚みが発生し、
またVolume 1 Low Power(2010年策定)では最大5WとUSBの2倍程度
_DSC0616.jpg_DSC0620.jpg

その点で電界結合方式は1箇所に複数台充電できるこの方式はモバイル機器で採用されて行くのではないでしょうか。
_DSC0619.jpg_DSC0618.jpg

展示されていたモジュールは5W、10W、20W(モジュール自体の展示はない)
既に、日立マクセルがこの10W伝送モジュールを使いiPadのワイヤレス充電セット「エアボルテージ for iPad2」に採用2011年11月25日に発売する。
_DSC0665.jpg_DSC0666_2.jpg

上の画像はROHMブースの電界結合方式で複数に給電している。(情報サイト見てたら村田製作所でも同時給電の展示があったらしい)
ROHMは電界結合方式の回路にSiCを送信側のインバーター回路にSiC(炭化ケイ素)トレンチ型MOSFET。
スイッチング周波数6.78MHzという高い周波数で、従来のSi(シリコン/ケイ素) スーパージャンクションMOSFETとは違い20W以上の出力なら変換効率を95%まで高められている。
SiC技術はアメリカのクリー社が技術先行していたが、資源の乏しい日本は省エネルギー産業のハングリー精神でどんどん高効率化していく。
今回のROHMが出したSiCも高温度時のスイッチング損失が少なく、高温になる箇所に使用することが可能になっている。
_DSC0615.jpg
ノートパソコンなどの高温になる機器でも損失が少なくて済むのはいいですね。
村田製作所でもノートパソコンへのワイヤレス充電を参考出品していましたからね。(20Wモジュール)
様々なメーカーが注目する電界結合方式はモバイル機器の充電に持って来いなのではないだろうか。
実際に村田製作所のブースでは某電器メーカーの方と村田製作所の説明員が熱心に話をしていましたし。



◇電気自動車には?
_DSC0531.jpg_DSC0648.jpg_DSC0604.jpg
パナソニックNECシャープ

今年は本当に省エネルギー関連技術が出ており様々なメーカーで電気自動車についての出品がありました。
上記は各メーカーが未来の予想ということで出品した電気スタンド、種類多くてどうなるんでしょうか。
さて、同じ電気で充電するのなら車にもワイヤレス充電が可能なのではないか?
実は既に路線バスで社会実験が行われています。
これからは一般の電気自動車にもワイヤレス充電の時代が来るのかもしれません。

今回気になる物を展示していたのはTDK。
TDKは電気二重層キャパシタ(EDLC)の一例として走行中のワイヤレス充電を模型として展示していた。
こちらは磁界共鳴方式ですがEDLCの性能を見るものなので今回の記事に合うかな;

さてTDKの発表で出たEDLCというのは何か?
EDLCは化学反応の電池ではなく静電似て電気を帯電させる物。
よくEDLCで燃費向上とか出ていますが、現在の電気自動車なら別にEDLCなんか搭載しなくてもいいのです。
ではなぜTDKののEDLCを取り上げたかというと考えが面白かった。

通常の電気自動車は電気スタンドで10分以上の充電時間が必要だが
ノンストップ充電が可能なところ。内部抵抗が低く短時間で充電放電ができ、充電走行区間で貯めた電気だけで無充電走行区間を走り、次の充電走行区間を走ることで永遠と走っていられる。
6666.jpg
また、磁界共鳴方式のため3次元で電気のやり取りが出来る。
写真は立体に組まれたコースで下の給電スポットから出ている電力を上のコースへ送るデモがされていました。
写真に写っている(知らない人)が手に持っている皿状のものにコイルが入っておりここで下からの電力をパスしてる。
もちろん実社会にこれが適応出来るかどうかといわれれば疑問だが(コストや道路改良しなければならないため)
TDKのEDLCの急速充電の速さがすごく暑さ2.7mm 500mFの大容量。そこに急速な充電が可能担っている。
_DSC0653.jpg
EDLCに付いては東芝電機も実物を展示していましたね。
_DSC0529.jpg
パナソニックブースでもワイヤレス充電の電気自動車が提案されており
_DSC0649.jpg
電気自動車にワイヤレス充電するならば大きいリッツ線が必要で、車体重量も増える。
そこで目に入ったのが田淵電機のアルミリッツ線。従来の銅リッツ線は重たく、更に近年の同価格の高騰などがあり
代替素材としてリサイクル性の高いアルミニウムを使用したものが展示されていた。
問題点としては導電率が銅を100%とするとアルミは約60%程度なので銅と同じ伝導率にするには直径を約1.3倍くらい必要だ。
_DSC0650.jpg
しかし、展示されていたのは30kWの銅のリッツ線に比べて半分以下の重量でコイルの内径も外形も銅リッツ線と同じ。
リッツ線を工夫したことで損失を抑えたとのこと。


こんな感じでワイヤレス電力伝送システム関連の話を様々なブースの話を混ぜ込んで話せるほど
今年の展示は「ワイヤレス電力伝送システム」が盛んだった印象を受けました。

シーテック・ジャパンは来年、2年後などのトレンドを垣間見ることができるので
近いうちにもワイヤレス電力伝送システムが我々みたいな一般人が知らず知らずに使う時代になってくるのかもしれないですね。
◇関連記事◇
シーテック ジャパン 2011が幕張メッセで開催 土曜日には子供向けのイベントも多数!
フルハイビジョンはもう古い!シーテックジャパン2011で見てきた4Kディスプレイ達
【シーテック・ジャパン2011】 非接触充電・ワイヤレス電力伝送が来年から流行るのか





nice!(6)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 6

コメント 3

muk

無線やワイヤレスという言葉に弱い私。
by muk (2011-10-15 18:21) 

パセリ

これからはワイヤレス電力伝送システムの時代ですよ。
ついに充電までもがワイヤレス
by パセリ (2011-10-15 20:57) 

jane

私の古い頭では、絶対に無理だろうとしか思えなかったことが、実現しつつあるのですなあ。おどろきです。
by jane (2013-01-10 20:02) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。